活動・事業計画

2020年度 わたしたちが目指すもの

実質所得の低迷や非正規雇用の増加、格差と貧困の拡大、消費税増税の影響がくらしを圧迫し、新型コロナウイルスの感染拡大が先の見えない生活不安をもたらしています。TPP11、日欧EPAに続き、1月には“TPP超え”の日米貿易協定が発効しました。際限のない貿易自由化で日本の食料と農業を差し出すばかりか、種子や酪農、漁業、森林、水道などいのちとくらしに関わる制度を次々と破壊し、営利企業に開放しています。ゲノム編集技術は野放しが決まり、「遺伝子組換えでない」表示は2023年に実質禁止され、食の安全基準が大幅に緩和され、検査体制も不充分な中での輸入食品の急増など、食の安全・安心が脅かされています。

国内農業は耕作放棄地の増加や担い手不足で生産基盤が弱体化し、食料自給率は過去最低の37%にまで落ち込みました。地球温暖化による気候変動や途上国の人口増などで世界の食料需給はひっ迫しています。もはや経済力さえあれば自由に食料が輸入できる時代ではありません。国連は2028年までを「家族農業の10年」とし、2030年に向けたSDGs(持続可能な開発目標)を設定しました。国際社会は、多国籍企業の利益を優先して貧困と格差、環境破壊を世界に広げる市場原理主義、大量生産、大量消費の流れから、持続可能性を優先する方向に大きく転換しています。

私たちは設立以来、いのちとくらしを守る理念を実現するために、食と農、くらし、環境、福祉、平和など各分野でSDGs が掲げる目標とも共通する実践を積み重ねてきました。いのちとくらし、食と農が危機に直面する中で、私たちの果たす役割はこれまで以上に大きく、消費者・組合員と社会の期待に全力で応えていかなければなりません。今年度は2020年ビジョン、延長した第9次中期計画の総仕上げの年度となります。秋には東京南部生協との組織合同が予定されています。世界的な新型コロナウイルス感染拡大は食料・物資の安定供給や消費行動に甚大な影響を及ぼし、輸入に大きく依存するくらしの在り方があらためて問われています。

2020年度は、新型コロナウイルスの感染拡大防止のために、非接触を前提とした新たな供給と活動スタイルを創造します。そして、組合員一人ひとりが食の未来づくり運動を通じて食料自給の大切さや消費の在り方を見つめ直し、生産者と消費者が手を携えて日本の食料・農業を守っていくことが大切です。東都生協ならではの安全・安心、産直・国産、産地・メーカー交流、食と農から持続可能な社会づくりなど、組合員の期待に応えた活動・事業を進め、共感と協同の輪を広げ、事業伸長につなげます。組合員の声を大切に、その実現に組織を挙げて取り組むことで、信頼と協同を育み、誰もが楽しく参加できる組織への構造改革を図ります。社会環境が大きく変化する中、今年は2030年ビジョンを策定します。平和で安心して暮らせる持続可能な社会の実現を目指し、10年後の私たちのありたい姿とその実現に向けた道筋を、組合員、生産者、職員が一緒に描きましょう。

Ⅰ.組合員活動

〈目指すこと〉

  1. ◇東都とつながる、未来へつなげる

ひとりの力ではできることは限られますが、みんなでつながることで大きな力が生まれます。これまでとは違う価値観・生活スタイルが求められている今、つながり方はさまざまです。この先どんな状況でも東都生協を通じて思いを伝えあい、連携し、未来へつながる社会を目指します。

〈取り組むこと〉

  1. 1.ひとりで、みんなで、できることを考えよう
    1. (1)わたしの「いいね」を発信します
    2. (2)新しいつながり方を追求します
    3. (3)東都生協の良さを伝え仲間を増やします
  2. 2.いのちをつなぐ大切な食べものを未来につなげよう
    1. (1)産地・メーカーとの交流で産地直結を実感します
    2. (2)商品の良さを知り、みんなで利用を増やします
    3. (3)食の大切さを学び、次世代につなげます
  3. 3.いのちとくらしを守るために学び行動しよう
    1. (1)地球の未来を考えたくらしをすすめます
    2. (2)助け合い、支えあうつながりの輪を広げます
    3. (3)平和な社会の実現に向けて行動します
    4. (4)だれもが安心してくらせる社会を考え、学び、いかします

Ⅱ.事業経営・組織運営

〈目指すこと〉

  1. ◇信頼と協同を培い、くらしの要求に全力で応える

〈取り組むこと〉

新型コロナウイルスの感染拡大防止のため、供給と活動スタイルを非接触を前提とした新たなスタイルに転換します。東都生協ならではの安全・安心、産直・国産、産地・メーカー交流、食と農からの持続可能な社会づくりなど、組合員の期待に応える活動と事業に徹底して取り組みます。参加しやすい新しい活動の仕組み作り、分かりやすい情報発信と利用しやすい仕組み作りを進め、活動の活性化と事業伸長を図ります。組合員のくらしと地域社会に貢献していくために組合員との接点を広げ、声の実現と応対力の向上に組織を挙げて取り組み、信頼と協同を育む構造改革を進めます。

  1. 1. 安心して利用し続けられるように共同購入事業の基盤を強化します
    1. (1) 組合員の願いの実現に向け、基本業務を大切にして、信頼を高め、安定利用につなげます
    2. (2) 適正かつ効率的な共同購入事業に向け、供給業務の見直しや仕組みを改善します
    3. (3) 生活協同組合として組合員の声と信頼に応え、組合員対応力を強化します
    4. (4) Web を活用した注文機能の改善と広報を強化します
  2. 2. 食の未来づくりを推進し、持続可能な食と農を構築します
    1. (1) 安心して暮らせる持続可能な社会に向けた行動提起を行います
    2. (2) 産地・メーカーと協同して、食の未来につながる事業と運動に取り組み、商品の利用普及を進めます
    3. (3) 未来の産直を担う次世代の育成を進めます
    4. (4) 産直産地との提携を強化し、東都生協ならではの産直を推進します
  3. 3. 組合員と産地・メーカーとの協同による商品事業で利用を高めます
    1. (1) 安全な商品を届けるために、商品検査やGMO(遺伝子組換え作物)飼料の検査、ゲノム編集食品などに関する情報収集や発信をしていきます
    2. (2) 商品活動に参加しやすいさまざまな機会をつくり、組合員が求める商品づくりや利用普及を進めます
    3. (3) 組合員の声に応え、組合員と産地・メーカーが築いてきた強みを明確にした商品を供給します
    4. (4) くらしの変化やニーズに合わせ、時短・簡便をテーマにした商品の開発・利用を広げます
    5. (5) 組合員が共感できる商品案内の紙面改善を進めます
  4. 4. 組合員の願いを実現する弁当配食事業
    1. (1) 食材だけでなく、見守りやコミュニケーションも充実させ、安心して利用できる配食サービスを進めます
    2. (2) 業務効率の改善を進め、安定した黒字体質を築くために損益改善に取り組みます
  5. 5. 組合員のくらしに役立つ保障事業
    1. (1) 組合員のくらしに寄り添い、「ありがとう」につながる取り組みを推進します
    2. (2) 組合員の安心につながる保障事業を目指し、業務水準の向上を図ります
  6. 6. 組合員のくらしに応えるサービスの提供
    1. (1) 生活支援事業(ア・ラ・タスカル)を組合員にとってより良いものに進化させます
    2. (2) 組合員のくらしを豊かにするサービスを提案していきます
  7. 7. 業務環境の整備
    1. (1) マネジメント力を強化し、組合員に寄り添う確実な業務を推進します
    2. (2) 実践的な危機管理体制を整備し、非常時の対応力の強化を目指します
    3. (3) 新基幹システムの安定稼働を実現し、くらしの変化に対応できる事業基盤の整備に取り組みます
    4. (4) 組合員のくらしに貢献していくために、働く環境を整備します
  8. 8. 職員の計画的採用・配置と人材育成を進めます
    1. (1) 常勤嘱託職員(供給職)の採用を進め、知識と組合員応対力を向上させる教育研修を実施します
    2. (2) 後方部署に専門性を有した職員の配置を進め、組織全体の生産性を高めます
    3. (3) 次世代のリーダーを育成する研修プランを構築し、計画的な人事配置を実施します
  9. 9. 労働条件や働き方を整備します
    1. (1) 効率的な働き方を可能にする就労環境整備を進めます
    2. (2) 人事諸制度や労働条件の在り方について、労働組合と協議・交渉を重ねます
    3. (3) 男女平等参画推進について新たな中期計画(第6期)を確立し、実践します
  10. 10. 地域社会づくりと社会貢献
    1. (1) 「福祉政策2025」推進計画に基づいた地域社会づくりに取り組みます
    2. (2) 脱化石燃料・循環型社会の実現に向けた活動に取り組みます
    3. (3) 平和の取り組みを進めます
    4. (4) リユースびん商品の利用普及を継続して行い、リサイクル洗びんセンターの支援活動を進めます
  11. 11. 第9次中期計画延長プランの推進
    1. ○目標である事業成長と構造改革を実践します
  12. 12. 2030年ビジョンの策定
    1. (1) 策定委員会を設置して、組合員・職員・取引先に展望を示す2030年ビジョン(案)を策定します
    2. (2) 2030年ビジョン(案)に基づく2021年度方針(案)を策定します
  13. 13. 公認会計士による監査
    1. ○公認会計士として八重洲監査法人を選任し、会計監査を受けていきます
  14. 14. 常勤監事の設置
    1. ○常勤監事の設置について、具体的な条件整備などの検討を進めます